人間の身体について
- 人間には実体としての体と機能を交えた身体が有りますが、実は更に外側に何層かのエネルギーの層を持っています。この層をエネルギーフィールドと呼び、代表的には3つの層が有ります。
- 医学の治療の基本は実体の体に対して行われますが、現実には薬のもつ物質のエネルギーでエネルギーフィールドにも働きかけられています。ホメオパシーのレメディーはその最たる物です。
- 私達オステオパスは、身体の持つリズムを使って、3層にそれぞれ働きかける事で、治療に利用します。
- 子どもは生まれてから徐々に、成長する中で、回りのフィールドを変化させていきます。私達は日常の生活の中で、年齢に応じた雰囲気を言葉として表しています。例えば、元気な赤ちゃんとか、お兄ちゃんになったねえとか、おしゃまな女の子・反抗期の息子・娘などです。その子がその時に持つフィールドを感じているのです。
実体として存在するエネルギーフィールド
1. 一番目の層
1, 最初の層は身体の実体のすぐ外側に存在します。距離で言うと3センチから10センチ程度のエリアです。 2. 実感としては、温かさとして感じる事ができます。両手の平を向かい合わせにして近づけて行くと、ある所で、温かさをかんじます。身体の部位や身体の状態・その時の状況によっても変化しますが、5センチから10センチの所で感じれると思います。 |
2. 二番目の層
- この層は身体から20センチから1メートルくらいの層として存在します。オーラと呼ばれる事も有ります。インドのベーダの考え方では、チャクラと呼ばれる7つの場所からのエネルギーの循環と考えられています。西洋医学的には、神経の集まりの神経叢の場所とほぼ一致します。神経の集まった所と言う意味では、その活動エネルギーも大きく、特別に大事な場所である事は確かです。
- 実感としては、自分の持つ個人的な領域として感じる事が出来ます。身体に触れられる次に敏感に反応します。自分を守るための最低の境界線で、感情的な事との繋がりが大きく、快不快を感じるエリアです。
- 電車に乗ったとき、列に並んだ時、立食のパーティー等で、実際に触れている訳ではない状況で、隣に来た人の実態としてよく感じます。
3. 三番目の層
- この層は身体から3メートルくらいの層として存在します。多くの人は一つの部屋程度のエリアを持ちます。
- 実感としては、気配として感じます。目を閉じていたり、背中の方から近づいても、何となく分かる層です。魚釣りや、遊びではかくれんぼ等の時には、とても役立つ感覚です。敏感な人や訓練を積んだ武芸の達人等は、遠く離れた気配を感じる事も有るそうです。
オステオパシーの施術での使い方
-
1番目の層:
- それぞれの器官はその機能にあった軸で支えられています。皮膚表面から骨膜・靭帯・筋膜・骨・筋肉・神経・内臓まで全ての器官とそれを支える膜組織に、機能的な軸として存在します。
- 例1 : 膝を何かに強くぶつけたとします。その後違和感があって、思うように足を着けなかったり、速く走れない時など、2番目の層にある、膝の機能的な軸を整えることで、違和感のない動きにすることができるのです。
- 例2ギックリ腰 : 大きな力がかかって起きた時には、ズレた骨を戻しただけでは歩けるようにならない時が有ります。そんな時はこの層を使って、機能的に支えを作る事で、歩けるようになります。
- 例3足首の捻挫 : 捻挫も靭帯が損傷する時に、多くの場合、骨にもズレが起ります。そのズレを直しただけでは、歩く事は出来ても、走るのは大変です。骨盤から膝・足首のラインの機能の軸を整える事で、早期に走れるようになります。
- 例4切り傷の場合 : そのキレた所の皮膚の細胞の軸と、皮膚の支えになる機能的な軸を整える事でとても早く治癒します。鋭利な刃物で切った時と、大きな力が掛かって出来た切り傷とで、治癒に掛かる時間が大きく違うのはこのためです。
- クッションのような働きをすると言う事は、当然他からの影響も受けると言う事です。苦手な人と会った後や、調子の悪い人の世話をすると、自分も何となく気持ちが落ち込むのはこのエリアの影響です。普段元気な人でも、家族の人が病気になって、その介護をすると想像以上に疲れます。単に看病という以外にこの層への影響があるからです。花などを置く事で多少防げます。
- 赤ちゃんは全身からエネルギーが満ち溢れています。実際に満ち溢れているからそう感じるとも言えます。自分が未知な雰囲気を持つ人に対して、敏感に反応して、泣いたり怖がる姿はしばしば見かけます。赤ちゃんを治療するときに大人と大きく違う点は、血液・脳脊髄液・リンパなどの体液の循環やそれに伴うエネルギーの循環の調整が主になる事です。
- この層は感情に影響する層でもあります。感情は自分の内面と接する外の世界とのバランスで成り立つ面があります。雄大な自然や芸術に触れることで、感情面に良い効果があるのはそのためです。外との接点としてのこの層を調整することで、安定した状態を維持できます。何が原因か分からずに落ち込んだり、イライラするときは、この層に何らかの異常がある場合が多く見受けられます。実態と関連して傷ついている場合には先にそこを治療して、その後でこの層を整えます。
- 消化器系の弱い人は、ストレスの影響を受けることで、胃や腸に負担を感じます。ストレスもこの層で感じます。内臓などの体内の器官が弱くなるとこの層も小さくなったり弱くなったりします。結果さらに内臓に負担を感じる悪循環を起こします。この層の活力を上げることで、悪循環を断つことができます。実際の例としては、仕事などでちょっとしたストレスを受けても、すぐに胃腸の調子を崩していた人が、この治療を受けることで、徐々に崩さなくなったり、少量の薬で効果が出るようになります。
- この層は、体外の循環の層です。睡眠中にでる各脳波は、この層で循環します。循環することで、内臓などの器官を整えます。この機能が無くなると体をリセットできないために、慢性的な疾患になります。この層の調整は慢性疾患を治療する第一歩になります。
- 体を酷使して仕事をする人もこの層が消耗します。消耗することの最大の短所は自分の不調に気が付かなくなってしまう事です。気が付いたら体がボロボロで手の施しようがないという人はこの層の消耗がひどい人です。身体を酷使している自覚のある人は日頃からこの層の調整が必須です。
- オステオパシーで扱うトラウマリリースは、感情と臓器や器官が持つ組織の記憶の両面からのアプローチになります。外傷や、身に危険を感じた時等には、怖い・痛い・びっくりした等の他に、体の緊張が残ります。同じ気持ちになった時や同じ状況になった時には、体も緊張します。この緊張を繰り返すことで、トラウマが大きくなります。身体の緊張をトラウマが受けた状態に近付けることで、できるだけ再現して、その状態で脳と身体の各組織のバランスをとります。
- 体全体としてのバランスを取って、治癒力を高めることが大事です。実際に動いている実質の臓器や器官と、それを支える層と、全体のバランスを整える層の調整をすることで、快適な状態を維持したり、より良い状態に近付けることができます。以前にいらしていた大工さんから興味深い話をお聞きしました。もともとは腰の持病でいらしたのが、純和風の建物等を、のこぎりとカンナとのみで仕上げていく時に、手元が狂ったり、はめ込む時に、木槌で打つときに自分が思ったようにいかなくなると治療に来るのだそうです。職人さんの持つ勘と身体のバランスは表裏一体というところでしょうか。
- プロスポーツ選手として体を使う人
- デザイナーや芸術家の様に感覚的に脳を使う人
- 創作活動をする人:アイディアの想出
この層は実際の体を支える層です。体全体に施されたエネルギーのコーティングといったイメージです。この層を治療することで、ズレは直したのに上手く支えられない骨盤や関節、力の発揮できない筋肉がきちっと働けるようになります。この層は実体の体の支えの治療として使います。筋肉の基本のリズムは1分間に80回、神経は12〜18回、内臓は6〜12回程度で、それぞれのリズムを使って、機能的な支えを作ります。
2番目の層: |
この層は更に外側の層で、気配や威圧などを具現化するそうです。プロスポーツの選手などの様に、相手との間合いを感じたり、自分の空間を大きくして自分自身を際立たせる時、また感覚的により大きな空間を扱う人に、必須の層です。以下に示した人たちには特に重要です。詳しくはプロフェッソナルサポートの項をご覧ください。